百年の孤独、読み終わったので感想です!
ここに書いてるのは紹介文程度なのでネタバレは無いです。
ブエンディア家という一族、または彼らの住む蜃気楼の村マコンドの隆盛と衰退を描いた作品です。 ホセ・アルカディオ・ブエンディアとウルスラ・イグアランの夫婦からその来孫に至るまでの計6世代の様子がひたすら描かれ続けます。 特に一族に大きな目的があるでもなく、各々がどういう風に産まれ、生きて、死んでいくか、その間に村はどうなっているかが書かれているだけです。 物語というよりはマコンド史といった雰囲気です。余談ですがSFで言うと「火星年代記」とか「人類補完機構シリーズ」が近い気がします。
個人的に面白かった点を紹介します。
まず1つはこの作品独特の情緒です。
1つの村を100年間定点で描き続けることによって、先に言ったように地域史的な趣が生まれています。
一般的な世代交代系は、家系や組織など特定のコミュニティに焦点を当てて描かれることが多いと思います。
この話もブエンディア家に注目して進みますが、語られるのはあくまでマコンド内部からです。
村の外に出た人間はそのまま話からフェードアウトし、帰村すればまた物語に登場し始めるといった具合です。
位置的な場面転換を絞ったおかげで、100年という時の流れに現実味のようなものを感じることができます。
マジックリアリズムと呼ばれる手法も本書の雰囲気に強く貢献しています。4年間雨が降り続けたり、村民全員が不眠になったり、
たまに死者が蘇ったりと、本書の世界では結構な頻度で非現実的なことが起こります。しかし、それがあたかも取るに足らない現実かの様に、
スープを温めたり、買い物に出かけたりといった、通常の出来事と並列して描かれます。
ブエンディア家の面々も魅力的です。
村を興したものの錬金術に取りつかれたり、革命軍の指導者になったり、150年間生きて家を守り続けたりと、男女問わず
謎のパワーに満ちています。しかし、エネルギッシュで人に囲まれているにも関わらず、皆どこか孤独を抱え込んでます。
孤独という表現はタイトルに引っ張られてますね。つまり、悉く全員が陰気な一面を持ち合わせています。
各々が大なり小なりそれを自覚し、色んな方法で何とかしようとする様が結構面白いです。
この孤独を抱えた一族はどこに行き着くのか、結論だけ聞くとそんなに意外性は無いですが、実際に読みながら辿り着くと
いろいろ考えさせられます。
ところで、「俺の屍を越えてゆけ」ってゲームはご存じですか?一族をどんどん増やし、世代交代の中で強いキャラを作って 敵を倒すというRPGです。生まれてくるキャラクターに名前をつけれるんですが、僕は一族全員に僕そっくりな名前をつけました。 節目の年に生まれたキャラには僕の名をそのまま継がせてます。自己愛を拗らせたという訳ではない(はず)です。 一族とか、血とか、そういうのに少し憧れがあるんですよね。 流石に実際にやる予定は無いですが。
そんな気の有るせいか、個人的に百年の孤独はかなり刺さる作品でした。なんせ一族の男性は必ず「アウレリャノ」か「アルカディオ」の どちらかを名乗るので。ホセ・アルカディオ・ブエンディアの長男がホセ・アルカディオ、その息子がアルカディオ、そのまた 息子がホセ・アルカディオ・セグンドで、その息子が……といった具合です。 さらに兄弟もいるので、一つの時代に常にアウレリャノとアルカディオは2人ずつくらいいます。 そして全員違った人生を歩むようで、結局は同じような運命を辿ります。 血の呪いというか、形質の定めというか、なんだかロマンチックでいいですね。
長くなりました。とりあえず、世界的名著と言っても難解で分かり辛い系ではないです。
意外とエンタメ的な目線でも面白く感じられると思います。
一方、まあノーベル賞取るような作家なので劇的な大盛り上がりって感じでもないです。
エンタメと言っても国語の教科書に載るタイプの面白さです。
僕と同じ、血に対する嗜好をお持ちの方は是非読んでみてください。
そして、アリの巣の観察が好きな人、地域の歴史が好きな人、異国情緒が好きな人、そんな方にも向いている気がします。